~ 湯気 / YUGE ~

/ art × hotel /

先日、沖縄のホテル アンテルーム那覇に宿泊した。
このホテルは「アート×ホテル」をテーマに、設計事務所UDSがプロデュースから運営までを担っている。

自動ドアが開いた瞬間、迎え入れられたのは、真っ白な天井と壁に囲まれた、静かなギャラリースペース。
まるで美術館に足を踏み入れたような空気感に、深夜のチェックインということもあり、少し緊張する。
(のちにこのスペースが、ギャラリー用のエントランスであり、日中は別の受付があると知る。)

このホテルで最も「アート×」を感じたのは、翌朝の朝食ビュッフェだった。
料理や人の動きでざわつきがちな朝の時間。
けれどここでは、開放的な空と海、洗練された空間のなかで、
自分のリズムで過ごすことができた。
美味しさだけでなく、「空間と行為」が調和する体験は、優雅さを感じさせる。

アートがその場の空気や行動に、静かに作用しているのかもしれない。

記憶に残る空間とは、
感性が目覚める余白を、さりげなく仕掛けている。