-湯気-

No.10 森の中のシークエンス

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昭和村にある、内井昭蔵設計の「少年の家」を訪れた。

1987年竣工。
ちょうど私と同い年の建築である。

外観には40年近い歳月が感じられ、決して新しくは見えない。
けれど中へ入ると、その印象は大きく変わる。

木造の梁や傾斜屋根がそのまま現れた内部空間は想像以上にダイナミックで、
トップライトや開口部から差し込む自然光によって、時間とともに豊かな表情を見せてくれる。

特に印象的だったのは、空間のつながり方だった。

森の自然な起伏をうまく取り込みながら、
吹抜けやスロープ、階段によって各室がゆるやかにつながっている。

視線が抜けたり、絞られたり。
明るい場所から少し暗い場所へ移ったかと思えば、また大きく開ける。

建築の中を歩いているというより、
森の中を散策しているような感覚に近い。

離れの多目的ホールも見事だった。

アーチ状の梁が大きな屋根を支え、
桁行方向にはほとんど柱が見当たらない。

大きなガラス越しに森の緑が広がり、
構造の力強さと空間の軽やかさが同居している。

建築は当然、経年変化していくが、

空間の体験そのものは豊かで素晴らしく、
全く古さは感じない。

少年の家は、そんなことを改めて感じさせてくれる建築だった。
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